キャラが濃いとか薄いとか(ルートダブル、ロボノのネタバレあり)

 さっき書いた話の延長。
 そもそも、キャラが濃いってなんだ?

 物語上、このキャラは必要か不必要かなんて話は、そもそもどうでもいいっちゃいいんですよ。
 たとえばルートダブル。メイン9人のうち、ぶっちゃけいなきゃいないでどうとでもなりそうなのは、サリュだと思います。夏彦がらみの話は幼なじみ2人で充分だし、戦闘要員も夏彦のあの能力で充分だろうし。

 でも僕としては、サリュが不要だなんて言う気は全くありません。だってかわいいもの! かわいいは正義、とはよく言ったものだ。
 つまりアレです。一般論として、萌えアニメなんかへの悪口として、「キャラがオタクに媚びてるだけのクソアニメ」みたいなのがありますよね。でも媚びてようがなんだろうが、結果としてそのキャラが登場してるだけで見ててハッピーってレベルの作品になってれば、別にいいじゃないですか。ストーリーとかなんもない、南家三姉妹の平凡な日常を淡々と記した物語でもいいじゃないですか。

 だからなんでもそうですけど、個々人の好き嫌いとはまた別のところで言えば、たとえば多くのプレイヤー(視聴者、読者)が「このキャラが好き!」と言えば、そいつは人気、重要人物。「こいつ嫌い!」もある意味いいかもしんない。
 でも、「……えっと、こいつなんでいたんだっけ?」「いや、どうでもいいっす」みたいなことを多くのプレイヤー以下略に言われちゃうキャラっていうのは、キャラが薄いと言わざるを得ないんじゃないかなと。

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 んでアニメ版ロボノです。好き嫌いは置いとくにしても、まあ、登場人物の大半がキャラ薄いってところには、多くの人が賛同してくれるんじゃないかと。してくれなくても話は進めますけど。
 で、むしろ既存のキャラ同士を合成したらいいんじゃね? みたいなことを思ったんで、それについて書いてみます。

現状

主人公:
 キルバラというロボット格ゲーが好きな少年。他は基本的に無気力、無関心。ただしヒロインの世話とかは裏で焼いたりしている。

ヒロイン:
 ロボアニメ大好き、お姉ちゃん大好き。その2つの思いから、お姉ちゃんの夢である「本物のロボットを作る」を実現しようと頑張ってる。


合体

 ロボアニメ大好きで、そのアニメを原作としたキルバラというゲームも大好き。また、お姉ちゃん(実姉でも、姉的存在の他人でも可)のことも好きで、それらの思いから、本物のロボットを作ろうと頑張っている。

 ……とすれば、いい感じにアクティブな主人公ができるんじゃないかと。ロボノ本編でも、この2人はともに「お姉ちゃん」の弟(妹)的存在だったんで、そこかぶってるんならむしろまとめたほうがよくね? 最後のバトルも盛り上がったんじゃね? と思ったわけです。

 次。

現状

メガネ:
 一見まじめな優等生。だが実は仮面かぶってロボット大会で活躍する変態。

フラウ:
 ネットスラングをリアルで使う変態。引きこもりの天才プログラマー。母が監督やってたロボアニメが大好きで、それを元にしたゲームを作った。


合体

 普段は引きこもりだが、仮面をかぶると外に出れる、ネットスラングをリアルで使う変態。母が(以下略)、それでロボット大会に出場したり、それ関連のプログラムを組んだりしている。

 ……とすれば、ロボット大会以降なんのためにいたんだかよくわからなかったメガネ先輩も、このアニメでおそらく一番キャラ立ってはいたけどそれだけだったフラウも、適度にアグレッシブになって存在感も増し、ストーリー上の活躍も増えるんじゃないですかね。うん、自分で書いててずいぶん適当だなとは思った。

 あと空手さんは。ほら、最後にテロリストを鎮圧する場面で活躍すればよかったんじゃないでしょうか。てかマジで、空手設定なんの意味もなかったな。

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 別のこの記事は、ことさらロボノをディスるために書いてるわけじゃありません。キャラ薄いなーとはずっと思ってましたけど、それでも終盤の急展開が始まるまでは、普通に楽しんでましたし。

 今回思ったのは、結局、キャラが濃いってなんなんだろう、と。ストーリーに絡んでいようがいまいが、魅力的だと感じられればそれはキャラが濃いってことになるのかもしれない。でも、じゃあ人はなにをもって、キャラを魅力的だと感じるのだろう。

 たとえば、ルートダブルのましろです。
 ああ、たとえばついでに言うと、上でフラウ以外のロボノキャラを全部あだ名とかで書いてるのは、単に全員の名前を覚えてないからです。フラウだけはかろうじて覚えてたんです。キャラが濃い薄いって、こういう辺りに表れるんじゃないかなあと思います。

 んで、ましろですけど、設定だけ見れば別に濃いキャラじゃないんですよね。基本的には直球の幼なじみタイプに過ぎません。明るいとか人なつっこいとかも、キャラ設定として濃い薄いを論じる上では関係なさそうだし。
 でも僕の主観で言えば、ましろはロボノのどのキャラよりも濃いんですよ。ましろに限らず、ルートダブルのメインキャラは全員、ロボノのキャラより印象が強い。なぜなんだろう。

 一つには、ルートダブルではともかく各キャラの過去エピソードを掘り下げまくった、てのがあるんでしょうね。
 よく言われるように、テレビで知らない国の人間が何百人死にましたとか言われてもなんも感じないけど、名前知ってる芸能人が亡くなったと聞くと、ちょっといろいろ思ったり、とか。最近で言えば、飯野賢治さんが亡くなったのを知ったときには、「え?」と思いましたもんね。でも当然ながら、ゲーム好きでもなんでもない人にとっちゃ、どうでもいい訃報でしょう。

 つまり実在の人物だろうが架空のキャラだろうが、どれだけ思い入れを持てるかは、その対象のことをどれだけ知ってるかによって決まる──のかもしれません。
 でも、それだけか? という疑問もあります。ロボノは、多分各キャラのエピソードが省略されまくっていたのであろうアニメ版だったとはいえ、それでも一応最終回まで見たというのに、僕はほとんどのキャラの名前すら覚えていない。僕の記憶力がポンコツなのだという説を却下するなら、たとえ2クール分のアニメの情報を手に入れてもなお、キャラへの思い入れを持てないもんは持てないんだ、となります。

 と書いてて気づきましたけど、メインキャラの名前をろくに覚えてないっていうなら、ガールズ&パンツァーもそうだった。ガチメインの5人の名前は、頑張れば書けるかもしれない。でも主人公の学校の、他チームのメンバー名は無理。
 じゃあ彼女たちのキャラが薄かったのかというと、んなこた全くないしなあ。……あれ? 結局、どういうことなんだ?

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 ルートダブルに話を戻すなら、あれの登場人物に強い思い入れを持てたのは、彼ら・彼女らが、それこそすごく強い思いを持って行動していたからなのかも。単に過去について描かれているというだけでなく、過去およびそこから派生した現在に抱いている思いが強烈だからこそ、こっちも見てて印象に残ったのかも。
 たとえばましろなんか、幼なじみキャラと言っちゃえばそれまでですけど、その幼なじみっぷりはすさまじかったですからね。さすがにネタバレが過ぎるんで書きませんが、ほら、夏彦のアレに延々と付き合い続ける精神力とか。すげーもん。

 信念──というほどカッコつけたもんじゃなくても、なんかすげーなと言わざるを得ないレベルの思いを抱いて行動してるキャラを見てると、そりゃ思い入れも深まるわ、というのが実際の理屈なんでしょうか。ルートダブルのメインキャラは、大なり小なりそんな感じだし。

 んでロボノと比較すると、その「思い」の中身そのものが薄かったり、あるにはあったけど描写がいまいちだったり、みたいなのがあるのかも。
 ヒロインの、ロボおよび姉に対する思いも、強いのはわかるんだけど、なんでそんなに強いのかはいまいちわからずじまいだったし。ましてそれをそのまま薄くしたような主人公の思いについては言わずもがな。メガネと空手さんに至っては、語るほどの思いがなんかあんのか、って感じでしたし。

 フラウについては、思いは充分あったはずなのに、最終的に結局弾ききれなかったのはなんなんだろう、とも思います。物語的な盛り上がりを優先するなら、最後のプログラム、普通にフラウが開発してもよかったのでは? そういや母親は結局どうなったんだ? 「ゲーム版やれ」ってことか?

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 思いがあるから、人は動く。なくても動くときは動くが、少なくともなんかとんでもない(非常識・非日常的な)動きをするときは、その背景に強い思いがないと説得力がない。
 言い換えれば、強い思いをきちんと描けてなければ、結果としての物語がどう展開しようが、見てて印象に残るはずもない──ということだろうか。

 アニメ版ロボノの終盤が個人的にガッカリだった理由は、種子島の生徒および島民たちが、なんかいきなり主人公たちに全面的に協力していたことにあります。
 いや、今が世界の危機だって知ってるのは、主人公チームを含めたごく一部の人間だけのはずだろ? 民間や公的機関に対しては、むしろ徹底的に情報を隠蔽してたんじゃなかったっけ? なのになんで種子島の皆さんは一致団結して動いてんの? そもそもロボ部自体、そこまで島内での人気も知名度もなかったんでは?

 といった疑問から、種子島の皆さんの行動に納得が行かず、従って、その先にあった終盤の盛り上がりにも気持ちが乗れなかったわけです。
 上述の理屈で言えば、種子島人がなぜあんなに協力的な行動を取ったのか、その背景にある思いが見えなかった。思いが見えなかったから、行動に納得できなかった。行動に納得できなかったから、物語に共感できなかった。となります。

 ただまあ、これも所詮は理屈。そんな理屈とはたいして関係のないところで、ガールズ&パンツァーは傑作だよなあ、とか思ってるわけですし。最終回はまだ見てないけど。
 少なくとも、「かわいい」と感じるか否かは、キャラの思いの描写がうんぬんといった理屈とは、全く関係ないのかもしれない。なんなんだろな。

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