感想 GIGAZINE 未来への暴言



 書いていることには概ね同意します。全部じゃないけど。

 特に同意したのは、ネット上の少額支払いシステム導入の意義についてです。

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 この本にもあったように、著作権ビジネスの維持はもう難しいでしょう。
 YouTubeやニコ動などを取り上げても、違法動画は山ほどある。その他の場所に目を向ければ、マンガや音楽ファイルが違法に配信されていたり、ゲームが以下同文だったり。

 それらを企業とかが片っ端から管理するのは現実的に無理です。
 なにせ今や、ネットによって世界がつながっちゃってますから、1つの魅力的な情報がどこかから発信されたら、瞬く間に世界中に広がってしまいます。たかが1企業、1国家の力で世界と戦うことはできません。

 とはいえ、生きていくためには食わないといけません。ましてゲームみたいに作るのに手間暇がかかり、大勢の人間に長時間働いてもらわないといけないものについては、どう転んでも制作費が必要になります。
 なので制作者側は、どうにかして金は手に入れないといけないわけです。

 個人が生きていくための金を手に入れる方法としては、ベーシックインカムとかが有効なんじゃないかと思います。実際に導入される日が来るのか、来るとしてそれがいつになるのかは知りませんが。
 ただ、個人のクリエイターはこういったシステムによって生活費を手に入れ、あとは好きなものを好きに作って済ませればいいかもしれませんが、上述のゲームのような例ではそうはいきません。やはり作品に対し――あるいは制作行為に対し、報酬なり資金なりを支払えるシステムは必要でしょう。

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 そういうシステムとして、少額支払いシステムは有効に機能すると思います。

 実際、物の価値ってのは千差万別で、たとえば一律300円でアニメを配信するサイトがあったと仮定しても、「300円も出して○○を見たかねえよ。100円にしろ」などと思うことがあります。
 一方、「これが300円は安すぎる。500円払わせろ」などと思うこともあったりします。実際に払うかどうかは別として。

 なので、アニメやゲームといった、いわゆるわかりやすい「商品」だけに限らず、ネット上で見かけたありとあらゆるものに対し、自由に金を払うことができるようになれば、いろいろと面白くなりそうです。

 たとえば僕がこうやって適当に書いている文章に対し、読者の方が「いい暇つぶしだった。1円やろう」などと思って支払ってくれれば、それだけである種の商売になるわけです。
 僕のブログの記事は、今だと大体どんなものでも30アクセスぐらいはあるっぽいので、その数字を訪問者数だと単純に換算し、かつ全員が毎回1円払ってくれると仮定すれば、1つの記事を書くたびに30円もらえるのです! 食えねえよ!

 ……まあ、この例はさておき、ありとあらゆるものが商品として通用するようになれば、クリエイターと呼ばれる人の定義や生き方そのものも、ガラッと変わってくるんじゃないかと。

 少額支払いシステムは、正確に言えば「少額でも自由に支払えるシステム」ですから、別に大金を払うのに使ってもいいわけです。
 だからゲームを遊んで、「おー面白え。とりあえず1000円払うわ」「100時間やったけどまだ遊べそうだな。もう1000円お布施するわ」みたいな現象が起きれば、制作費のかかる代物に対しても、有効に働くかもしれません。

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 なお、この本では、みんなが自然にお布施をするような教育を行えるかどうかが問題だ、みたいなことが書いてあったように思います。
 この点に関しては、僕は案外簡単に解決するのではないかと思っています。

 現に今も、ニコ動では「宣伝」という形で、本来タダで見られる作品に対し、ユーザーが金を払う習慣が普通に見られます。しかも、作者に直接金が渡るわけではなく、その意味では金を出すモチベーションとしては微妙なはずにも関わらず、です。
 もちろん実際に払っている人間はごく一部でしょうが、そもそも別に、作品を見た人全員が金を払わねばならないわけではありません。たとえ1000人中1人しか金を払わなかったとしても、その1人の支払いによって充分な報酬が得られれば、それでいいわけです。

 さらに言えば、「これは価値がある」と自分が認めたものに対して金を払うという行為は、ある種の気持ちよさが伴うものです。金を払うという行為が誰にとっても常に痛手でしかないのであれば、そもそも貨幣経済は成り立ちません。
 また、たとえばなんらかの施設を作る際に資金を提供すると、提供者の名前が石碑かなんかに刻まれて末永く保存される、なんていう現象もあります。それを名誉に感じて資金を提供する人もいるでしょう。人間、ある程度の金を手に入れたら、次は名誉を欲しがるもんだ、とか言った人は誰でしたっけ。

 一番大事なのは、お布施を行う上での物理的な面倒さをなるべく減らすことでしょう。

 具体的には、「1円からでも自由に払えるようにする」「最小限の手間で払えるようにする」ことです。
 クレジットカード情報かなんかを一度どこかに登録しておけば、あとはネット上のどのサービスにおいても、ちょちょっとクリックするだけで支払いを済ませられるようにする。そうすれば、お布施という習慣は特別な教育とかを施さずとも、普通に成立するんじゃないかと思います。

 さらに積極的なお布施を求める手段としては、上述の石碑にならって、「高額お布施者ランキング」みたいなのを発表するのもありかもしれませんね。

 お布施はいいけど名前は出したくないという人が多い場合は、お布施をした当人が希望した場合のみ、自分がランキングの中で何位に位置しているのか、自分の上のお布施者たち(匿名)はいくらお布施しているのかがわかる、とか。
 こうやって競争心を刺激し、ある種のゲーム感覚でお布施を募れば、積極的に金を集めることはいくらでも可能だと思います。

 まあ、こういうやり方が過熱すると、それこそ拝金主義的だと叩かれる元になるでしょうが。そこらへんはバランスやら演出やらで解決すべきことでしょう。

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 自分の好きなものを好きに作って発表し、それによって報酬が得られる。金を払う側も、相手が提示した額を強制的に支払わされるのではなく、作品の価値に応じた額を自分の意志で決めて払い、それによって満足感が得られる。
 そういうライフスタイルが誰にとっても当たり前になれば、世の中はまたちょっと面白くなりそうです。しかもこれは少額支払いシステムさえ成立すれば後は勝手に発展するでしょうから、絵空事ではなく、そう遠くないうちに(10年以内?)原型ぐらいは実際にできあがってそうです。

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