天地明察 作品そのもの以外をふくめての感想



 天地明察、読了。

 とりあえず、傑作には違いなし。冲方作品の入門としてもいいんじゃないでしょうか。少なくとも、ラノベになじみがない人がまず手を出すとしたら、これしかないでしょう。
 と同時に、冲方作品全体の中で位置づけると、これは現在の冲方さんの集大成、あるいは総集編と言うべき作品かと。

 いつもの冲方作品らしい要素――心ボロボロ、奮闘、子どもを守る大人といった要素が一通り散りばめられており、その代わりどの要素についても突き詰めすぎてはいない。シュピーゲルシリーズにあるような、そこまでやんのか的な傷つきぶりはない。
 作品の内容にかこつけて言えば、天地明察はまさに天元・北極星的な作品であり、冲方さんのこれまで、そしてこれからを見る上での基準となる位置づけなんじゃないでしょうか。一応ラノベであるシュピーゲルシリーズよりもはるかに理解しやすいという意味でも、初心者にオススメの作品ではあります。

 ただ、ここから更に進化した作品を書くとしたら、一体どういう方向へ行くのか。それがわかりません。
 今までの冲方作品とは、要するに子どもが血反吐はきながら戦う物語である、と乱暴にまとめることもできます。そんな子ども時代と、子どもが大人になってどうしたのかを書いたのが天地明察である、と。

 となると次は、大人をメインに書くんだろうか、とは想像できます。
 でも大人のなにを書くのか、それがわかりません。あるいは個人の苦悩や成長という枠を抜け出し、複数の人間によって構成される社会そのものを書く、とか?

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