真実は統計の中にあり、それを他人に伝えるには物語が必要だ



 この本の趣旨は、「世の中にはいかに統計的事実と程遠い勘違いが蔓延しているか」ということです。

 人間が直感的に正しいと判断したことが、実は大間違いだというパターンは山ほどある。人間は「もっともらしい意見」「具体的な物語」ばかり記憶に残り、「みんなが言ってるから」という理由でしばしば間違った意見を真実だと思い込み、「よい物は全てにおいて優れている」と考えがちである。
 こうしてできあがった第一印象は、後に全く違う事実を見せつけられても、なお容易には揺らがない。で、みんな自分たちにとって都合のいいことばかり主張し、それと異なる事実は目に入らず耳にも聞こえず、本人も自分が正しいと信じ切っている。

 マスコミが「マスゴミ」と揶揄される理由の1つである偏向報道の原因は、人間が持つこういった特性にある、というのが本書の主張です。この本はアメリカで書かれたものであり、マスゴミなどという言葉は作中に出てきませんが、言っているのはそういうことです。もっとも、マスコミに関わらず、世の中のあらゆる情報がこの手の間違いに満ちあふれている、と言っているわけですが。
 じゃあこういった落とし穴を避けるためにはどうすればよいのか。答えは、統計できちんと考えること、になります。数字の伴わない意見は全て与太話と見なす。数字が提示されていても、それが妥当なものか、意図的に抜かされているデータや解釈はないかを見る。対策としては、こんなところでしょうか。

 ただ問題は、統計というやつが、あまり面白くないということです。
 僕も以前、「統計すげー! これからは統計の時代だぜー!」とばかりにいろんなデータの解析にハマりかけましたが、あっという間に飽きました。これらの解析で得られた結果は興味深かったにも関わらず、です。

 理由は、それこそ本書の中で触れられています。人間、統計的なデータを見ても「ふーん」としか思いませんが、具体的な話を1つ持ち出されると、途端に興味を持つ生き物だからです。
 てなわけで、統計すげーと思いながらも、実際に活用しようと思うと、なんか面倒くさいのでやる気が起こらない、となります。この心理にうまく対応できれば、日常生活もいろいろと豊かになりそうな気はするんですけどね。

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