絶対少年 ~ノベライズ版の感想~

 絶対少年のノベライズ(田菜横浜)を読む。よかった。
「よかった」という感想は、「面白い」とは少し違う。心に染み入る感じを、僕は「よかった」と表現する。
 この「よかった」という感想を抱いたのは、アニメ版絶対少年を別にすれば、デジモンシリーズ以来だろうか。他にもなにかあったような気がするが、覚えていない。

 乱暴に言い切ってしまえば、絶対少年はジュブナイルである。
 ジュブナイルという言葉の一般的な定義は知らない。ちょっと調べたところでは、10代後半~20代前半の読者層を狙った作品とあるが、それではライトノベルと同じになってしまう。
 僕にとってのジュブナイルとは、少年や少女の心、そして彼らを取り巻く世界を丁寧に描いた作品、といったところか。
 まあ、あいまいな定義ではある。特に「丁寧に」の辺りが。この定義ならマリみてとかも当てはまりそうだが、あれをジュブナイルと呼ぶのはちょっと違う気もするし。
 ともかく、僕の中には、はなはだあいまいながら、ジュブナイルという観念についての定義がある。で、デジモンシリーズ(正確には初代・02・テイマーズ)や絶対少年などが、僕にとってのジュブナイルであり、「よかった」作品となる。

 小説版絶対少年をアニメ版と比較すると、だいぶ印象が変わる。ストーリーは基本的に同じであるにもかかわらず。
 これはおそらく、小説版ではキャラの心情が描写されていることによる。
 アニメ版絶対少年という作品は、キャラの心情をはっきりとは描写しない。考えていることを視聴者に伝えるためだけに声に出す、といったことはおそらくしていない。他人に対してキャラがどういう感情を抱いているかは、はっきりとセリフとして出てこない限りは、表情等から推測するしかない。
 それが小説版では、地の文で心情が書かれている。
 これによって、個人的には結構意外な事実がいろいろと明らかになった。こいつ、このときこんなことを考えてたんだ、と。
 そして、キャラに対する印象も変わった。具体的には、アニメを見ただけでは特にどうとも思っていなかったキャラたちに対して、より強い興味を持つようになった。
 メインの子どもたちはほぼ全員が、心に抱えていることを表に出せずに葛藤している。その葛藤を、アニメを見ていたときは漠然と感じていただけだったのが、小説で直接描写されることではっきりとわかった。
 その結果、どいつもこいつも魅力的に見えてきた。キャラに対する個人的な好き嫌いはあるが、「こいつは嫌なやつだな」という感想をひっくるめて、作品全体には好評価である。

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