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zoom RSS なつかしのゲーム語り 第45回 エリーのアトリエ

<<   作成日時 : 2010/05/10 20:59   >>

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 以下、ネタバレあります。ネタバレしないと、ちょっと語れないので。

 アトリエシリーズの中で、総合的に見て一番優れている作品は、ヴィオラートのアトリエだと思います。思い出補正とか抜きにして、前知識なしで今から遊んでみても、やはりヴィオが一番になると思います。
 しかし、ゲームとしての面白さとはまた違った要素を込みで考えると、僕の中ではこのエリーのアトリエが、ヴィオに並ぶ作品として浮上してきます。

 僕にとって、エリーのアトリエのキーワードは「青春」です。
 物語は、病気で死にかけていた主人公のエリーが、旅の錬金術士マルローネ(前作の主人公)によって命を救われるところから始まります。マルローネに憧れたエリーは、都会にある錬金術のアカデミーに入学し、立派な錬金術士になるべく勉強を始めます。

 しかし勉強にはなにかと金がかかり、その資金は自分で働いて稼がないといけません。具体的には、いろんな依頼を受けて、錬金術でアイテムを作り、それを渡して金をもらうことになります。
 こうして金を稼ぎながら、錬金術士として実力をつけ、アカデミーの試験をクリアしていくことが、ゲームの基本的な流れとなります。

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 で、ネタバレはここからです。
 まず、ゲーム中でとある条件を満たすと、はるか西にある港町カスターニェに行けるようになります。

 ここは本当に「はるか西」であり、町の周辺を回ったり、一通りイベントをこなしたりしていると、家に帰ったときには半年ぐらい経過しています。ゲーム期間は、基本4年なのに。
 さらにこのカスターニェから海を越えた先には、別のアカデミーがあるケントニスという町があります。この町では数こそ少ないものの、とある重要なイベントが起こります。

 遊んでいたときの僕の感覚だと、このカスターニェに行くのは、文字通りの意味での旅行でした。それも遊びに行くわけじゃなく、錬金術士として実力を高めるための、いわば研修旅行という感覚です。
 なにせ往復だけでも時間がかかりすぎるためか、アカデミーの友人を誘って行こうとすると、同行を拒絶されたりします。常に拒絶されたか、テストが近いときだけだったかは忘れました。ともかく、それだけ遠い地なのです。

 普段は都会にある自分の家で、仕事や勉学に励む。それがこのゲームの基本です。
 だからこそ、カスターニェ行きはそれ自体が大イベントとなります。ゲーム期間が限られていることも考慮して、時間を無駄にしないよう意識しないといけません。特定のイベントをこなすためには、事前にアイテムを用意する必要もあります。出発前に仕事を集中的にこなして、資金を稼ぐべき場合もあるでしょう。

 このように、カスターニェ行きはまさに旅行であり、それゆえに僕の中で、このゲームの思い出として印象深く記憶されています。

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 ネタバレその2。
 ゲーム期間は基本4年なんですが、ある条件を満たすと2年延長されます。簡単に言えば、基本の4年間は普通の大学生としての勉強であり、追加の2年は院生としての勉強をするようなもんです。

 この頃になると、プレイヤーが選ぶべき道もより広がり、また意識的に絞る必要が出てきます。
 ゲームに慣れてきたため、もう普通に稼ぐだけなら難しくなくなった。では最終的にはどのエンディングをめざすのか? 錬金術士の高みをめざすのか? そこまでは行かずに、他人との仲を深めるのか? あるいはひたすら稼ぐのか? 冒険を楽しむのか?

 特定の条件を満たせば、男キャラとの恋愛イベントや、アカデミーの女友達とのいろんなイベントが起きたりもします。
 アカデミー1の優等生で、なにかとエリーを助けてくれるノルディス。彼のことが好きで、エリーに嫉妬している少女アイゼル。この2人との関係も、ゲームの進め方次第でいろいろと変わります。

 また、アトリエシリーズの伝統として、冒険に出る際は護衛役の冒険者を雇うことができます。彼らとの間でも様々なイベントが展開されます。

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 なにも持っていなかった一人の少女が、ある人に憧れ、彼女のようになりたい、彼女にもう一度会いたいと願って都会に出る。なんとか学校に入ることはできたものの、成績は最悪、しかも食うためには勉強だけでなく仕事もしないといけない。
 そんな中、同級生や年上の冒険者たち、そして町の人々との仲を深め、徐々に自分の居場所を作っていく。やがて生活は安定し、成績も上がるが、勉強すればするほどさらに見えてくる壁や、直面する問題もある。

 そしてときには普段の生活から離れ、遠い町で数ヶ月の時を過ごす。やるべきことは全てやったという判断を下せたら、なつかしのわが家に帰る。
 学校での4年間の生活が終わったところで、少女は将来に関する決断を強いられる。ゲーム開始時点では15歳だった彼女も、今では19歳。もう子どもとは言えない年齢である。

 僕にとってのエリーのアトリエとは、こういうドラマを持ったゲームです。
 これを一言で言えば、「青春」となります。青春とは、単に学園生活とか友情とか恋とかだけで表現できるものではなく、自分の将来に対する悩み、生活そのものの大変さ、忙しさと退屈さの波、そういった全てをひっくるめて、初めて「青春」になるのだと僕は思っています。

 こういう「青春」の雰囲気は、おそらく作り手も意識していたでしょう。
 なにせ主人公であるエリーの名字「トラウム」は、ドイツ語で「夢」という意味だそうです。また、スタッフが歌詞を書いたエンディングテーマなんかは、完全に青春の歌となっています。

 ゲームの面白さは、基本的にはゲームシステムやバランスによって決まると思います。
 でもそれらをクリアした上で、作品全体が1つのメッセージを発するようデザインされたのなら、それは素敵なことです。エリーのアトリエは、ゲームとして面白いだけでなく、その面白さと作品の世界観・メッセージ性とがうまく融合しているという点において、他に比肩するもののない一作だと僕は思っています。

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 なおゲームバランスについて言及すると、いわゆるザールブルグ三部作の中でも、最も安定しているんじゃないかと思います。
 前作のマリーは、シリーズ最初の作品だけあって、ボリューム的に不足しています。逆に続編のリリーは、ちょっとボリュームがありすぎる感があります。その点エリーは、多すぎず少なすぎずの良バランスです。

 アトリエシリーズは、類似したゲームがいまだにあまり出ていないため、2010年の今遊んでも、充分に新鮮さを味わえると思います。
 なのでシリーズ未経験の人は、今度出るトトリを買ってみるのもいいでしょうし、よろしければ僕が勧めるこのエリーやヴィオラート、あるいは他の作品を買ってみてください。少なくとも、「どうせギャルゲーだろ?」という先入観から敬遠するのは惜しすぎるシリーズです。

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