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help リーダーに追加 RSS 速読はうさんくさい? だからどうした

<<   作成日時 : 2008/06/20 19:08   >>

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『非常識な速読術』という本を買いました。

 僕は速読という技術を身につけたいとは思っているのですが、同時に、そのために地道なトレーニングをするのはまっぴらごめんだとも思っています。根性がないのです。
 この本を買った理由は、その手の地道なトレーニングが不要ぽかったというのが第一に挙げられます。

 もう1つの理由は、164ページ目にあります。
 ネタバレになるので具体的には書きませんが、このページには、誰でも簡単に10倍の速度で本が読めるようになる方法、というものが載っています。

 実にうさんくさく、それでいて説得力も感じたので、とりあえず買うことに決めました。
 仮にでたらめだとしても、これは楽しく読めるでたらめ本だ、と思ったのです。

 実際にここで紹介されている方法を使い、本を読んでみました。
 10倍かどうかは知りませんが、確かに読書スピードは上がりました。普通に読んでいるときと比べて理解度がどう変化したかはわかりませんが、概要ぐらいはつかめている感じがします。

☆★☆★☆

 今回書きたいのは、この本が当てになるかどうかではありません。

 それが知りたいのであれば、とりあえず書店に行ってこの本を手に取り、164ページ目だけ読んで実践してみればいいと思います。
 その上で、役に立ちそうだ、面白そうだと感じたなら、買ってみてもいいんじゃないでしょうか。

 今回書きたいことは、「読書ってなに?」ということについてです。

☆★☆★☆

 なにをするにも、そこには目的があります。意識しているかいないかの違いはあれ、目的のない行為というのはおそらくあり得ません。
 では、読書の目的とはなにか。

1. 楽しむ
2. 知識を得る

 このどちらか、あるいは両方でしょう。
 1のほうはこれでいいとして、2についてはさらに分解できそうです。

2.1 特定の目的を達成するのに必要な知識を得る
2.2 雑学としてとりあえず知識を得ておく

 速読法の中には、この2.1の観点から成り立っているものもあります。
 すなわち、読む必要のあるところだけ読めば速く読める、という理屈です。

 たとえばゲームの攻略本が300ページあったとして、特定のボスを倒す方法だけ知りたいのであれば、その情報が載っているページだけ読めば充分だ、ということです。

 でも、とりあえずは全部のページに目を通さないと、自分にとって必要な情報がどこにあるのかわからないじゃないか、という疑問があります。ゲームの攻略本なら目次を見れば大体わかりますが、それでは済まない本もあるわけで。

 それに対しては、「最初に目次とかをよく読んで全体を把握しろ」「ざっと流し読みして意識に引っかかったところだけ注目すれば充分」などといった対処法が提示されています。
 こういう方法での速読術について書いているのが、たとえば『王様の速読術』などになります。

☆★☆★☆

 問題なのは、2.2の場合です。

「具体的になにが知りたいってわけじゃないけど、なんかためになる知識を手に入れたい」という目的で本を読む場合。
 このときも、上述した「必要な場所だけ読む」の方法が、一応適用はできます。

 ただ、本を読んで、ためになったと思っても、結局はその内容を忘れてしまうということがよくあります。
 この場合、本当に「本を読んだ」と言ってしまっていいものなのでしょうか。

 速読に対する一般的な不信感としてあるのは、「そんな速く読んだって内容が頭に入らねーよ」というものだと思います。
 この不信感は理解できますし、僕自身もいまだに抱いています。なので、速読という技術そのものに対し、絶対の信頼が置けずにいます。

 でも、じゃあゆっくり読んだら内容が頭に入るのかというと、そうとも言えません。
 正確には、入ることは入ると思います。ただ、その大半が出て行ってしまうように思うのです。これでは結局のところ、最初から入っていないのと同じではないのでしょうか。

「いや、潜在意識にはちゃんと残ってるんだ」とか言い出すと、速読だって潜在意識の活用がどうのとかよく言ってるじゃないか、という話になってしまいます。
「速読は『読んだ気になれる』だけだ」という批判もよくありますが、それを言ったら、ゆっくり読むのだって全く同じなんじゃないかと。

☆★☆★☆

 結局のところ、速読だ遅読だ以前に、読書という行為そのものが、そもそもうさんくさいものなんじゃないでしょうか。
 本を読んで記憶するってなに? 記憶した知識を生かすってどういうこと? 忘れていたと思っていたことを、ある日突然思い出したりするのはどういう仕組みからなの?

 速読をうさんくさいと言う人は、普通の読書はうさんくさくないと言えるのでしょうか。
 脳が情報を処理し、それを実生活に活かすという不可思議なシステムを、うさんくささなしでうまく説明できるのでしょうか。

 僕自身、速読という技術にあこがれを抱きつつも、心の底からは信じ切れずにいます。

 でも、その信じ切れない理由を、「うさんくさいから」だと言うのは間違いだよな、とも思うようになりました。
 だって、うさんくさいから信じないとか言い出したら、読書という行為そのものを否定しなきゃいけませんからね。

☆★☆★☆

 うさんくさいものは、他にも世の中にたくさんあります。
 人間が歩けるのだってうさんくさい。自転車に乗れるのだってうさんくさい。鉄の塊が道路を走ったり空を飛んだりとか、うさんくさすぎる。

 僕が真・三国無双4を遊べば、1人で敵の全軍を倒すことだってできます。同じことができる人は、世の中に数万人単位でいるでしょう。
 しかしうちの母がやると、まっすぐ前へ進むことすらできない。母からすれば、キャラを自在に操作できるということが、すでにうさんくさい技術なわけです。

 なにかを否定するのに、「うさんくさいから」とだけ言っても仕方ないよな、というのが今のところの結論です。
 別に、だから速読は正しいとか間違ってるとか、まして今回紹介した本の是非とかは知りません。ただ、「うさんくさい」からでたらめだ、という理屈は全然当てにならないよ、と言いたいだけです。

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2008/06/26 16:30

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